フィーバーとフューチャー 田原俊彦 ボーイズラブ文庫


長谷川は犬の頭を撫でるような感じで、一太郎の短い髪を何度も何度も撫で上げた。

彼がこれからどんなケーキを作って、驚かせてくれるのか楽しみだ。「知らねぇぞ、その体がどうなっても」。どのような過激な要求にもお応え出来ますので、好みのタイプをご指定ください。人に好かれるのは気分がよい。「困った人ですね」。「み、みやびさん?」。

「それじゃ、息子の光洋君。打ち合わせをやり直そうか」。「うん、君が以前の俺と同じように、無理してると思ったからさ。立場は分かるけどね。そのままじゃ、いつか心が壊れるぞ」。昨夜ベッドに運ばれたときと同じように、丁寧な手つきでアズィーズは和の身体を浴槽に沈めた。「いいえ」。

「くだらなくないよ。松岡さん、君のこと心配してたよ。……大事な友達なんだから」。理央は心底安堵すると共に、自分の放った見当違いの言葉をどう取り繕えばいいのかと動揺した。踵(きびす)を掴み、ゆっくりと上に持ち上げると、つま先の指の間までも、柔らかな海綿が撫でた。起こしていた上体をポンと一突きされると、痩身《そうしん》はあっけなくシーツの波に沈んでしまう。「そう?俺は、シャワー浴びない方がいいだろ」。「この身体で思い知ればいい。自分がどれほど傲慢だったか、どれほど世の中を知らなかったか。――君がわたしを理解できないのは当然だ。わたしにとって、君も他人でしかない」。「写真だけでしかパパを知らない時は憧あこがれてた。だがアメリカに行って会ったら、普通のおっさんだった。海兵隊の時は、上官に認められたくて必死だったが、運が悪かったのか、自分の出世しか頭にないようなやつと、人種的な偏見のあるやつにしか当たらなかったな」。

「君は…本質を見極めるという力に欠けている。商品バイヤーとしては、三流だな」。竜への恋愛感情を自覚した響にとって、その瞳は大変魅力的なものであり、彼の理性を破壊するのに充分すぎた。


ボーイズラブ小説作品紹介


母の行方を探すため永石家にメイドとして潜入した綾也だが、長男の光一郎に男だとばれてしまい、Hなお仕置きをされて……!?

タイトル:ご主人様にはナイショ
著 者 名:神香うらら
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:フロンティアワークス